せっかく3DSの『3Dファンタジーゾーン』をダウンロードしたのに時間が取れずにまともに遊んでいませんが、ふと思い立ったようにwebでセガマークIII版を検索したら、サン電子が発売したファミコン版と比較した上で劣化移植呼ばれされているのを見てゲンナリしたり。
実は私が初めてプレイしたセガマークIIIソフトが『ファンタジーゾーン』ということもあって、アーケード版以上の思い入れがあります。
確かに移植度はファミコン版が上で素晴らしい出来だけど、そんなこと言ったらセガサターン版でいいじゃん!と言いたくなってくる。
ご存知の通り、セガマークIII版はアーケード版がゲーセンで現役稼動している旬の時期に発売されたという功績があります。
セガ公式サイトの開発者インタビューによると、セガマークIIIでは再現が難しいと思われた2つのボスは一切再現を検討をせず別のボスに差し替えたり、一部の演出は簡略化され、納期優先で開発されたようです。
そういった事情もあり、後のファミコン版には一歩劣る作りですが、「ファンタジーゾーンとしての面白さ」を濃縮した内容に仕上がっていると思います。
何よりも『ファンタジーゾーン』ならではのパステルカラーのグラフィックは今の目で見てもファミコン版よりも上だと確実にいえます。
十分な開発期間と技術の蓄積があればセガマークIIIでも再現可能だったかも知れませんが、それには当然更なる期間が必要となるので、それをさっぱり切り捨てた判断は結果的に、ゲームセンターでも好評のうちに発売できたという実績に繋がりました。
それで、ファミコン版の当時の個人的な印象ですが、
「え?いまさら出るの?」
私はセガマークIII版をリアルタイムでプレイしていたので、ファミコン版が発売されると知ったのはその一年後。
当時小学生だった私にとって、この一年という期間はオトナの一年よりも実感する時間が長く、それこそ数年のブランクを感じさせるほどでした(そういえば子供の頃、ジャンプで連載していたキン肉マン王位争奪編の三ヵ月半の休載も一年ぐらい待ったような感覚だったな)
それどころかファミコン版が発売された1987年、家庭用ハードよりも技術の進歩がめざましいアーケードでは、『R-TYPE』『ダライアス』『アフターバーナーII』『1943』『究極タイガー』『ドラゴンスピリット』といった今でも名作として語られる話題作が次々と発売されましたが、いくら名作と言えども発売から一年経過したアーケード版『ファンタジーゾーン』はそんな話題作の中で埋もれるわけで、マークIII版を超える移植度で発売されたファミコン版は「かつてゲーセンで流行っていたアーケードゲームの移植」でしかありません。
アーケード版の人気の旬が過ぎた頃に発売されたなら、いくら出来がよくっても当たり前でしかないので、リアルタイムでセガマークIII版を遊んだ私にとって、
「移植スピードと移植度のバランスが取れた」
という点でファミコン版よりも推したいと思います。
というか、発売日が一年以上延期してもファミコン版以上の完成度を望んだ当時のセガマークIIIユーザーっていたの?と言いたくなります。
誤解しないで欲しいですが、ファミコン版も好きですよ!(笑)
商品はその時に売るために作られているわけで、ファミコンやマークIII市場がなくなった後の評価で語るのはあまり好きじゃないというのもあります。
それに当時のセガファンで「完全移植のバージョンが発売されるまで何年も待つ」というユーザーなんてそもそもいないだろうし(笑)
メガドライブでは『大魔界村』『ストライダー飛竜』『ぷよぷよ』がそれにあたるタイトルで、ゲーセンの話題作が家で遊べるというインパクトで本体ごと購入したユーザーは後を絶ちませんでした。
それはアーケードで強かったセガだからこそ出来た強みだと思いますし、実際に、アーケードゲームの移植作品が遊びたいがためにセガハードを買った人も多いですからね。
今ではアーケード完全移植が当たり前ですが、どのタイミングで、どれだけの完成度で発売されたか、それを考慮しないで語らないと単なる劣化移植でしかならず、当時を知っている人間からすると悲しかったりします。
ところで、テンゲンが独自で発売したNES(北米ファミコン)版を持っているのですが、
何コレ?wwwwwww
海外では『ファンタジーゾーン』の人気はそれほどではなかったと話に聞きましたが、いくら向こうではメジャータイトルじゃないにしろ、こんな適当なデザインはいくらなんでもどうよ(爆)