日本コンピュータシステムのメガドライブソフト『グレイランサー』が発売されて23周年です!おめでとうございます!
本作は横スクロールシューティングで、同社の『ジノーグ』に比べるとシューティングとして比較的オーソドックな作りですが、あえて挙げるなら自機の上下につくガンナー(グラディウスのオプションみたいなもの)システムが特徴となっております。
ゲームスタート時にプレイヤーの好みのガンナーのフォーメーションを選べますが、ゲーム中に選択することができないので自分が使いやすいと思うフォーメーションを選ぶといいでしょう。裏を返せば特定のフォーメーションじゃないと抜けられないという場面はありません(笑)
ステージ構成はトラップらしい仕掛けもなく淡々と進んでいく感じですが、パターンを覚えずも進めるステージ構成とも言えるので、地形やトラップ配置の関係で基本的にパターンを覚えないと進められない横スクロールシューティングの中でも本作は初心者向けといえそうです。
個人的に本作で惹かれたのはオープニングやステージ間で挿入されるビジュアルシーン。 ところで本作は同時期にテクノソフトから超大作シューティング『サンダーフォースIV』が発売された為、あまり注目されることがありませんでした。
8メガの大容量の半分近くは費やしたんじゃないかと思うほどクオリティの高いグラフィックのビジュアルシーンが大きなサイズで表示されるのは驚きました。CDメディアじゃないので動き自体は簡単なものですが、カートリッジでここまでやれば十分でしょう。割と枚数もありますし。
しかし、せっかく同人作家としても有名なあいざわひろし先生を起用したのに、パッケージにあいざわイラストを使わなかったのは勿体無いなあ…
他にも、メガドラユーザーの間でスター的な扱いを受けた人気コンポーザー岩垂氏によるBGMの数々は綺麗な音色で聴き応えあったり、パワーアップ時のボイス発生も(クリアじゃないものの)雰囲気が出ていて、グラフィック面もサウンド面も、メガドラシューティング全体的に見ても高いクオリティだと思います。
メガドラシューティングとしては並の出来かと思いますが、同じく淡々とステージが展開する『アローフラッシュ』(セガゲームス)ほどの退屈さはないので(笑)、気軽に遊ぶにはこのぐらいの出来が肩を張らずにいいかも知れません。毎回ガチなシューティングを遊ぶのは辛いですからね(笑)
幸いなことにWiiバーチャルコンソールでは本作が安価で購入できるので、この値段なら手軽に遊べるシューティングとしておさえていいかと思います!
もっとも、この1992年からシューティングが売れなくなった時代で、渋谷洋一が『BEEP!メガドライブ』誌上でシューティング応援特集を組んだりして盛り上げようとしたのですが、日本コンピュータシステムいわく「グレイランサーはなかなか受注が集まらなかった」そうで、同社がメガドラから撤退するきっかけになったソフトともいえます。
その直後に『ラングリッサーII』が発表されましたが、会社側としてはメガドライブ自体に新作を出すか出せないか微妙なところだったようで、当時の『BEEP!メガドライブ』読者ならご存知かと思いますが、読者応援ページを設けて正式に発売が決まるよう声を掛けていましたが、今思えばメガドラユーザーへのファンサービスでしたね。パッケージから臭う低予算ぶりと、その直後にシナリオが強化された他機種版の発表を見ると、あくまでファンサービス的な発売のようにも見えますが、それでもゲームとしてはかなりよく出来ていたし、何よりもきちんと発売してくれたことに感謝したものです。