『仮面ライダー電王』『ゴジラ FINAL WARS』『牙狼―GARO―』など主に特撮作品のクリーチャーデザインで知られる韮澤靖氏が2月2日腎不全の為急逝いたしました。享年52歳。
ゲームに詳しい方だったら、『Aランクサンダー』『サイバードール』『ウイルス』『エネミーゼロ』のデザイナーとしてご存知かと思います。
今振り返ってみると、当時は意識していませんでしたが、韮澤氏が関わった作品の半数は遊んでいましたね。特に思い入れのある作品を挙げたいと思います。
まずはメガドライブの『ビーストウォーリアーズ』
『魔法の少女シルキーリップ』で知られる遠藤正二郎氏とのタッグ作品。
遠藤氏の趣味であるプロレスをベースにしたクリーチャー同士が闘う格闘アクション。ぶっちゃけ全く持ってつまらないのですが、こんなゲームを3本も所有している自分って一体…
次はメガCDの『Aランクサンダー』
こちらも上の『ビーストウォーリアーズ』の韮澤&遠藤タッグ作品。
同社の『魔法の少女シルキーリップ』をベースにしたゲームシステムですが、こちらは犯罪組織に改造されたヒーローが闘う『仮面ライダー』のような設定の物語。
ヒーローの悲哀を描いたシナリオと子門真人氏の主題歌は最高ですが、相変わらず未熟なUI面と、盛り上げておいて打ち切りのシナリオは残念(次回予告もあるのに…)
ちなみに遠藤氏によると5,000枚しか出荷されなかったようです(メガCDの普及率からして仕方ない)
次はセガサターンの『サイバードール』
荒廃した世界が舞台のサイバーパンクRPG。
2Dタイプの見下ろし画面がヘボくてスーパーファミコンレベルのグラフィックですが、戦闘シーンがきちんと韮澤デザインしているので一安心(笑)
かなり癖の強い作品で人を選びますが、敵からパーツを奪ってそれを装備品としてカスタマイズしていくのが楽しいゲームです。
あと主人公の親父がカッコよすぎで卑怯です(笑)
最後に『エネミーゼロ』
韮澤氏が関わった作品では一番売れたのではないかと思います。メーカー公称で60万本を売れたとされています。
ご存知、故飯野賢治率いるイエロートゥオレンジのSF大作アドベンチャー。「見えない敵を音で判断して倒していく」という独自のシューティング要素が売りとなっていましたが、韮澤氏はその「見えない敵」をデザインしました。
見えない敵のデザインしてくれと依頼されて韮沢先生は一瞬困ったんだろうなあ(笑)
他にもありますが、長くなるのでこの辺で
こうやって振り返ってみると、特撮ファンにも、ゲームファンにも、模型ファンにも、絶大な支持を受け、そして影響を受けたクリエイターを数多く輩出したそのデザイン性は、日本では雨宮慶太氏、海外では『エイリアン』の故H・Rギーガー氏に並ぶ才能を持ち合わせていました。
まだ52歳という若さでの訃報で大変悔やまれますが、いまはただ静かに安らかにお眠りください…。